熊本にある遊園地。
グリーンランド。
その中のアトラクションの一つ「廃校への招待状」。
小学5年生の不登校中の娘が、ずっと行ってみたいとしきりに言っていた場所だ。
ぶっちゃけ、廃校に行くより、本物の学校に行って欲しいと声を大にして言いたいのだが、彼女がそれで人生が楽しいと思ってくれるのならと、夫と遊園地に行く計画を立てた次第だ。
ホラー小説が好きな娘は、いつの間にかYouTubeで、グリーンランドのお化け屋敷に本当の幽霊がいるという噂を知ったようだ。
グリーンランドを知るものなら、少なからずそんな噂を一度は耳にしたことはあるくらい有名な話かもしれない。
夫は、まだ20代の頃、リニューアル前の4階建ての頃、幽霊が出ると噂のエレベーター内に小一時間待機したそうだ。
結局、幽霊たちに会うこと叶わず、トイレに行きたくてその場を出たとのこと。
「出てきてくれるのを待ってたのに…」と残念そうに語っていたが、とんだ暴挙に、その話を聞いた当時は呆れてものが言えなかった。
私が幽霊なら、「逆に絶対に出ていってやるもんか」と思ってしまう。
霊感なんて微塵もないし、なんなら私が怒り狂ってるオーラも感じ取れない夫が、幽霊と会うなんて、叶わない夢に終わるのは当たり前だと思ってしまう。
そんな廃校への招待状は、昔、嵐の二宮君や相場君も訪れた場所だという。
2人が訪れた地点で、ものすごいオーラにお化け屋敷自体が浄化されそうだが、有名な霊媒師が「エレベーター内にものすごい数の幽霊がいる」とまで言っていたそうだ。
そんな場所に、大人2人、子ども3人で入ってみることにした。
廃校の招待状に着くと、気の良さそうなおじさまが「どうですか~?」と声をかけてくれた。
「誰でも入れるよ~」
とまるで、バーゲンセールのような口ぶりに、少し笑ってしまう。
建物自体の雰囲気が、もう出来上がっているので、一瞬入るのを戸惑う。
しかし、はるばる熊本まできたことだし、一番の目的地を目の前にして、やっぱり辞めるという選択肢はないので、意を決して入ってみる。
後から来た男性が「本当に出ますか?」と聞いていたが、スタッフのおじさんは
「出ないよ!」
ときっぱりと爽快に答えていた(笑)
「出ないんかい」と小さくツッコむ小5の娘。
一番楽しみにしていたの彼女だが、入るなりその空気感に恐れおののいたようで「やっぱり辞める…」と涙目になって引き返そうとするのだ。
「いや、もう引き返せないから進んで!!」
と私は娘の背中を強引に押して進む。
「本当なら、私だって引き返したいさ。でも、君が行きたいと懇願するから来たんだから!」と何とか説得する。
まぁ、正直、平日のお化け屋敷と言ったら、人のいなさこそ最大の恐怖だと思う。
幽霊に会うことを懇願していた夫を先頭に、こどもたちを挟んで私は最後尾を歩く。
目的は「白いクマのぬいぐるみ」がどこの教室にいたか、探し出すことがミッションだという。
静かで薄暗く、気をぬいたら転んでしまいそうだ。
時折聞こえてくる叫び声が、私たちの恐怖心を一掃深いものにする。
「あ、なんか年を取ったら怖いかも。やめればよかった…」
幽霊に会いたがり夫が、ふと泣きごとをいうもんだから、若干のイラつきを覚える。大黒柱よ、しっかりしてくれ。
「もう帰りたい…」
娘が泣きそうになる。
「そんなこと言わないでよ、お前が行くって言ったから俺も入ったのに…」
と弟が姉に文句を言う。
引き返したくても引き返せないところまできてしまうと、みんな観念して前に進むことしかできない。
非常口もどこにもない。
周りには誰もいない、今この廃校内にいるのは私たち家族のみ。
やっと光が見えてみたと思ったら、そこにはトイレが並ぶ。
一番最初のトイレにいたのは、学校の怪談でも有名な「テケテケ」だった。
正直、テケテケの存在は、唯一、私の心の緩衝材になった。
あれはお化けの中でも、唯一、癒しをくれるゆるキャラのようなお化けだと思う。
その後に続くトイレは、もう直視できない演出で、気味が悪かった。
「トイレ、行けなくなる…」
と、こどもたちが泣きそうになる。
まだまだ続く恐怖心を引き立てる演出に、大人の私も「早く抜け出したい」という気持ちが大きくなる。
幽霊が出るというエレベーターはもうどこにもなく、代わりに幽霊たちが移動するならここかな?という場所はチラホラ見受けられる。
今にも動めきそうな保健室のベッド…
奇妙な絵が飾られている美術室…
「あ、ここにいそう…」
「出てきたらどうしよう…」
そういう勝手な妄想が、自分の中の恐怖心を更に増幅させるのだと気付く。
やっとの思いで辿り着いた最後の部屋。
4つの穴のある祭壇が、私たちに解答を促す。
「どこにクマがいたか?」と問われるが、全く見た覚えがない。
気付けば、5人中、誰もクマさんを見ていないという結論に至る。
みんなどこ見てた?床?
思い出を振り返ってザワザワしてみたが、結局分からず終わった。
最後の問は不正解で終わるも、再度探しに行く気力はなく、私たちはやっとの思いで外に出る。
解放感に浸っていると、スタッフのおじさんが
「最後の部屋にも行って」と促してくる。
もうお腹いっぱいだったので、丁重にお断りしたが
「いや、行かないと!!」
と強めに念を押されたので、「じゃ、じゃあ…」と足を踏み入れる。
入った途端、幼稚園児の息子は大号泣の演出だった。
おじさんが念押しした理由がよく分かるほどに。
とまぁ、こんな感じで、廃校への招待状への参戦は幕を閉じた。
一通り、入ってみて振り返ってみたが
幽霊の気配、した?
ってのが感想。
入ってる時は、「ここにいそう…」とか勝手に思ってみたが、やっぱり改めて冷静に振り返ってみると、幽霊の気配なんてしなかったような気がする。
留守だった?
確かに、雰囲気は怖かったけど、身震いとか、憑かれたとか、寒くなるとか、そんな感覚は少しもなかった。
(一応、管理人、そういう雰囲気だけは察知できると自負してる)
やっぱり二宮くんと相場くんの来場で、廃校への招待状は浄化されたのかもしれない。
やっぱり嵐の力はすごい。
むしろ、私はグリーンランドにある別のお化け屋敷、「地獄堂」の方がよっぽどいそうだな…と思うくらい気味が悪いと思ってしまった。
みなさんも、もしグリーンランドにくることがあったら、廃校への招待状と地獄堂、どちらも入ってみて欲しい。
とっても素敵な場所なので、是非遊びに行ってくださいね♪
グリーンランドのオフィシャルホテル
私たちはいつもここに宿泊します。
朝バイキングが最高に贅沢でおいしい!
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↓ここも大人気!パーク内にあるので、早めに予約しないとだいたい予約とれない…
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