テニプリの乙女ゲームがなかなかでないので、四天宝寺【財前光】と勝手に乙女ゲーム妄想シナリオ(夢小説)を作成しています。
主人公の名前は夢小説にちなんで【夢】です。
あたたかい目で読んでいただけると嬉しいです。
プロローグ
少し肌寒くなってきた11月。
帰宅部の私は、委員会でお世話になっている【オサム先生】に呼び出された。
「失礼します…」
職員室に入ると、オサム先生が大きく手招きをしている。
「おお、すまんな。」
「いえいえ、ところでご用件は何ですか?」
「ほんまに申し訳ないお願いなんやけど…2週間ほどでええから、俺が顧問をしてるテニス部のマネージャーになってもらいたいんや。」
「マネージャー…?」
委員会の件で呼び出されたと思っていた私は、まさかの話に、しばしフリーズしてしまった。
「まぁ、2週間ほどでいいなら…人手不足ですか?」
「今レギュラーメンバーがU-17代表合宿に参加しとってな。その合宿に、各学校から選手の世話係が必要なんやて。本来ならマネージャーが参加なんやけど、うちにテニス部はマネがおらんからな。そこで、折り入ってお前に頼んどるってわけや」
「な、なるほど…。で、その合宿っていつからなんですか?」
「合宿自体は始まっとるで。マネージャーたちの集合日は3日後や。」
「ええっ!?それはまた急な話ですね」
「いや、それがな…俺がすっかり忘れててな。運営側から連絡がきて、こうして焦ってお前に頼んどるってわけや!」
こんな急な話を堂々と言ってのける先生の態度に、若干の戸惑いを覚えつつ、困っていることは確かなことは伝わった。
「合宿中は学校ももちろん出席扱いになるし、ボランティア活動ということで内申点も上がるで!」
ここまで頼まれると引くに引けないし、内申点が上がるという魅力付きなので、了承することにした。
「分かりました。頑張ってみます」
「よしっ!おおきに!!」
こうして、私は、U-17代表合宿にマネージャーとして参加することになった。
いざ合宿所へ!
本日、いよいよ合宿に参加。
生まれて初めて大阪から東京まで移動。
少し緊張したものの、とても良い体験になった。
「四天宝寺中からのマネージャーさんですね。では、案内します」
合宿所で受付を済ませると、スタッフ専用待機所に案内される。
マネージャーという名目でここにきたけど、テニス部メンバーも知らないし、なんならテニスにも全く詳しくない…。
「なんとかなる!!」
という、オサム先生の軽いノリ発言に騙された気もするが、結局のところ、行くと決めたのは私だし、やるからにはしっかり責務を全うしようと思う。
そんな決意表明をしていた矢先、マネージャーチームの総括責任者が登場。
選手たちのスケジュール、それに伴うマネージャーチームのスケジュール、イベントや今後の予定などについての説明があった。
驚いたのが、選手たちの分刻みのスケジュールだ。
これを同級生や、年齢が1つしか違わない人たちがやるのかと思ったら、それはもう尊敬しかない。
そんな選手たちのコンディションを、最大限に引き出すのが私たちの仕事と言われたら、手に汗握ってしまう…。
担当は205号室
全体ミーティングの後は、自分の担当部屋はどこか発表された。
私の担当は205号室。
次期部長候補の2年生が集まる部屋だと聞かされる。
青春学園の海堂薫くん。
立海大付属の切原赤也くん。
氷帝学園の日吉若くん。
そして、同じ中学校である四天宝寺の財前光くん。
同じ2年生とはいえ、財前君とは面識がない。
気を抜くと、溢れだしそうな【不安】という感情に蓋をして、私は205号室に挨拶に行くことにした。
部屋に向かう途中、206号担当マネージャーの子と話した。
「206号室を担当になった六角中1年の【大野あおい】といいます。よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくね。私は205号室担当、四天宝寺2年の【桜井夢】だよ。仲良くしようね。」
「優しそうな先輩がいて、ホットしました。正直…この合宿ちょっと緊張してて…」
「思った…この緊張感、ちょっと重圧感ある!!」
「私…実はマネージャーでもなんでもなくて。先生の『内申点が高くつく』って言葉にまんまとハマってしまって、テニスの知識も何もないのに…」
あおいちゃんは、責任の重さを感じているようで、やや涙目で訴えてくる。
「大丈夫だよ、私もおんなじ理由でここにきた仲間だから。私、マネージャーどころか、テニス部メンバーが誰なのかも分からずここにきたの。」
「そうなんですか!?ただのボランティアじゃすまされない空気感じゃないですか…選手たちのカリキュラムもすごすぎるし…私に務まるのかなって急に不安で…」
「うんうん、分かるよ。私も、全く同じこと思ったよ。ちょっと想像してたよりスケールが大きくて引いちゃったもん」
「やっぱりそうですよね!私、帰ったら先生に文句言ってやる!って思うくらいでしたよ」
「ふふ。それくらいなら許されるよ。」
「きたからには、頑張ろうとは思いますけど…」
「そうだね、一緒に頑張ろうね」
2人で、閉じ込めてた不安を語り合いながらも意気投合する。
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最高に楽しかったです♪
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